円高にも負けない!NISA積立の実績公開【2026年9月】

7月から25万円減った S&P500は1.8%しか下げていない 投資で増やす力

9月に入ってから、証券口座を開くのが少し気が重くなっていませんか。

私の運用収益は、7月のピークから25万円ほど減りました。それでも数字を並べてみて意外だったのは、S&P500そのものは、ほとんど下がっていなかったということです。

8月13日から9月11日までで、S&P500の下落は1.8%。それなのに、日本で積み立てている私たちの評価額は5.5%減っています。

差の3.7%は、株ではありません。為替です。

先に結論だけ

  • 私の9月の運用収益は+1,193,853円(+21.0%)。7月のピークから25万7,647円のマイナス
  • 8/13→9/11で、S&P500はドル建て −1.8%円建て −5.5%
  • 差を生んだのは159円49銭 → 153円52銭という円高
  • 米国株が上がった日に、評価額が減る「ねじれ」が実際に起きている
  • 積立を続けている人にとって、円高は「安く買える」側面もある
  • 見るべき日程は9/15〜16のFOMC9/17〜18の日銀だけ

この記事では、相場の予想は一切書きません。すでに確定した数字と、すでに決まっている日程だけを整理します。

まず、数字を並べます

S&P500の終値と、その日のドル円、そして掛け算した「円換算の値」です。

日付S&P500ドル円円換算
8/137,798.99159.491,243,861
9/37,747.71155.821,207,248
9/97,636.36153.551,172,563
9/117,656.98153.521,175,502

「円換算」は、その日のS&P500にその日のドル円を掛けただけの単純な数字です。実際の投資信託の基準価額とは計算のタイミングが違うので、あくまで動きの方向を見るための目安として読んでください。

8月13日を起点にすると、こうなります。

S&P500(ドル建て)−1.8%
為替(円高)−3.7%
円換算−5.5%

下落の3分の2は、株ではなく為替が作っています。

米国株が上がった日に、評価額が減っていた

いちばん分かりやすいのが9月3日です。

この日、S&P500は前日の7,666.60から7,747.71へ、1.06%上昇しました。ニュースでも「米国株は反発」と流れた日です。

ところが同じ日、ドル円は158円72銭から155円82銭まで、一気に2円90銭の円高になりました。

掛け算すると、円換算では1,216,843 → 1,207,248 で0.8%のマイナスです。

「米国株は上がったのに、なぜ自分の口座は減っているのか」

この違和感の正体が、これです。指数を見ているのに、持っているのは円換算の資産という、日本から米国株に投資する人だけが背負っているズレです。

なぜ、急に円高になったのか

9月1日に160円18銭だったドル円は、9月11日に153円52銭。10日で6円66銭の円高です。

理由を一言でいうと、日米の金利差が縮む方向を、市場が先に織り込んだからです。

日本側:日銀は6月にすでに1.00%へ上げている

日銀は2026年6月の会合で、政策金利を0.75%から1.00%に引き上げました。そして9月17〜18日の会合で、さらに上げるのではないかという観測が強まっています。

米国側:利下げどころか、利上げの話になっている

ここが今回、多くの人の予想と違っているところだと思います。

9月11日に発表された米8月のコアCPIは前月比プラス0.3%。市場予想のプラス0.2%を上回りました(前年同月比はプラス2.4%で予想どおり)。

これを受けて、9月16日のFOMCで0.25%の利上げが決まる確率は、前日の72.4%から86.3%に上昇しました(CMEグループのフェドウォッチ、9月11日時点)。実施されれば誘導目標は3.75〜4.00%になります。

両方が利上げなのに、なぜ円高なのか

不思議に思うかもしれません。米国も利上げなら、ドルが強くなりそうなものです。

為替を動かすのは金利の水準ではなく、金利差の変化の方向です。米国の金利はすでに3%台後半にあり、上げしろは大きくありません。一方の日本は1.00%からのスタートで、これから上がる余地のほうが大きいと見られています。

差が縮む方向に動けば、円は買われます。それが9月に起きたことです。

背景にはもう一つ、中東情勢の緊迫による原油高があります。インフレ懸念から米国の長期金利が上昇し(9月9日時点で米10年債は4.84%)、株には重石になりました。日経平均も9月11日の週まで2週続けて1,000円を超える下げになっています。

ここまでのまとめ

米国株が下がった理由は原油高とインフレ懸念。円高になった理由は日米の金利差が縮む見通し。この2つが同時に来たので、円で見ると下げが大きく見えています。

私の積立は、実際どうなったか

ここまでは指数と為替の話でした。では、実際に積み立てている口座はどう見えているのか。

2026年9月12日時点の、私の運用収益額です。

運用収益額 +1,193,853円(+21.0%)
2026年9月12日時点。プラスではありますが、2か月前より25万円以上減っています

+1,193,853円(+21.0%)。プラスであることに変わりはありません。ただ、この数字は2か月前より25万円以上減っています。

毎月運用実績をまとめている記事があるので、そこから推移を並べます。

時点評価損益損益率前回比
2026年5月初+1,098,172円+23.1%
2026年6月初+1,382,997円+29.0%+284,825円
2026年7月初+1,451,500円+30.1%+68,503円
2026年8月初+1,309,165円+23.5%−142,335円
2026年9月12日+1,193,853円+21.0%−115,312円

7月初のピーク +1,451,500円(+30.1%)から、いまは +1,193,853円(+21.0%)。2か月で25万7,647円、率にして9.1ポイントの低下です。

この間、積立はずっと続けています。毎月お金を足しているのに、それでも減っている。それだけ為替が効いたということです。

実は8月も、同じことが起きていました

7月から8月にかけての −142,335円も、原因は円高でした。2026年7月31日に日米が15年ぶりの協調為替介入に踏み切り、1ドル164円に迫っていた相場が一気に155円台まで動いた月です。

ただ、あのときは「介入」という分かりやすい理由がありました。今回は介入ではなく、金利差の見通しが変わっただけです。大きなニュースにならないぶん、理由が分からないまま数字だけが減って見える。今回のほうが、不安になりやすいと思います。

それでも、設定は何も変えていません

私のやり方は前から一つだけです。毎月一定額をS&P500とオルカンに積み立てて、タイミングは読まない。「今は高いから待とう」「下がりそうだから止めよう」という判断を、これまで一度もしていません。

2か月で25万円減った画面を見て、何も感じないわけではありません。ただ、ここで積立を止めたら、今月ぶんの「4%安く買える円高」を自分から捨てることになります。

それに、+21.0%はまだプラスです。5月初の時点で+23.1%でしたから、4か月かけて2ポイント下がっただけ、という見方もできます。ピークと比べるから、つらく見えるだけなのかもしれません。

NISAで積み立てている人が、いま気をつけること

3つあります。どれも「今日やること」ではなく、「やらないほうがいいこと」です。

① 円高は、これから買う人には「値引き」でもある

すでに持っている分の評価額が減るのは事実です。でも、毎月の積立で今月買う分は、先月より安く買えています。

同じ3万円でも、160円のときと153円のときでは、買えるドル建て資産の量が4%以上違います。

積立を10年、20年続ける前提なら、円高の期間は「仕込みの期間」です。評価額の赤字だけを見て積立を止めると、この値引きを自分で手放すことになります。

② 為替ヘッジありに乗り換えたくなったら、先にコストを見る

円高で損をしたと感じると、「為替ヘッジあり」のファンドが魅力的に見えます。ただ、ヘッジはタダではありません。

ヘッジコストの目安は日米の短期金利の差です。いまは日本が1.00%、米国が3.50〜3.75%なので、ざっくり年2.5%前後。信託報酬とは別に、これだけの負担が乗る計算になります。

乗り換える前に考えたいこと

年2.5%のコストは、10年で25%前後に積み上がります。目先の3.7%の円高を避けるために払う額としては、決して小さくありません。
さらにNISA口座では、売って買い直すと、その年の非課税枠を使い直すことになります。

ヘッジありが向いているのは、数年以内に使うお金を運用している場合です。20年先を見た積立なら、ヘッジコストのほうが重くなりやすいというのが一般的な整理です。

③ NISAは、損切りの傷が特定口座より深い

これは意外と知られていません。

特定口座なら、損が出たときに他の利益と相殺(損益通算)したり、3年間くり越して翌年以降の利益と相殺(繰越控除)したりできます。損には損なりの使い道があるわけです。

ところがNISA口座の損失は、その両方ができません。制度上、NISAの損失は「なかったもの」として扱われます。

損が出たとき特定口座NISA口座
他の利益と相殺できるできるできない
3年くり越して使えるできるできない

国税庁の説明でも、「非課税口座で取得した上場株式等を売却したことにより生じた損失はないものとみなされます」と明記されています(国税庁 No.1535)。

「枠は復活するから、いったん売って買い直せばいい」と考える人もいます。でも枠が戻るのは翌年の1月で、しかも戻るのは買ったときの値段(簿価)の分だけです。100万円で買ったものが150万円に育って売っても、翌年戻る枠は100万円です。

くわしくはNISAの枠は売ったらいつ戻る?に書きました。金融庁は「売った年のうちに戻す」よう要望を出していますが、要望であって決定ではありません。

つまりNISA口座は、損は使えず、枠もその年には戻らない。下落局面でいちばん売る理由が少ない口座だと言えます。

来週、見ておく日付は2つだけ

日程内容
9/15〜16FOMC(米)。0.25%利上げの確率86.3%。同時に経済見通し(SEP)も公表
9/17〜18日銀 金融政策決定会合。追加利上げがあるかどうか

FRBの結果が出た翌日に日銀が決めるという、めずらしい並びです。この2日間で為替が動く可能性は高いと思います。

ただし、ここで「だからこう動くべき」とは書きません。私にも分からないからです。分かるのは、この2日に材料が集中しているという事実だけです。

積立を続けている人がやるべきことは、たぶん「その2日間、口座を見ない」くらいのことだと思っています。

まとめ

  • 8/13→9/11で、S&P500はドル建て −1.8%円建て −5.5%
  • 差の3.7%は株ではなく為替(159円49銭 → 153円52銭)
  • 原因は日米の金利差が縮む見通し。日銀は6月に1.00%へ、米国はインフレ再燃で利上げ観測
  • 円高は、これから積み立てる分にとっては値引きでもある
  • ヘッジありへの乗り換えは、年2.5%前後のコストを見てから
  • NISAの損失は損益通算も繰越控除もできない。慌てて売る理由がいちばん少ない口座

指数だけを見ていると「大したことない下げ」に見え、口座だけを見ていると「けっこうな下げ」に見える。その差の正体が為替だと分かっていれば、必要以上に慌てずに済みます。

数字は2026年9月11日終値時点のものです。相場は動きますので、判断は必ずご自身の状況に合わせて行ってください。

出典

S&P500・ドル円の終値:Investing.com/米国株の日次動向・米コアCPI・CMEフェドウォッチ:財経新聞(2026年9月10日・12日)/FOMC日程:米連邦準備制度理事会 公式カレンダー/金融政策決定会合の日程:日本銀行 公式サイト/日銀の利上げ経緯:第一生命経済研究所レポート/日経平均:株探(2026年9月11日)/NISAの損失の扱い:国税庁 タックスアンサー No.1535/非課税保有限度額の再利用:金融庁 NISA特設ウェブサイト

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