【データ】年末までは”仕込み時”?8月〜12月末のS&P500・オルカンの傾向と、今やるべきこと【2026年】

投資で増やす力

「年末に向けて株は上がりやすい」——よく聞く話ですよね。実際、S&P500には9月にいったん軟調→10〜12月に持ち直す(年末高)という季節性があります。では、8月末から年末までの数か月は”仕込み時”なのでしょうか?

この記事では、過去のデータ(月別の傾向+直近5年の8月末→12月末の騰落)を正直に確認しつつ、「じゃあ私たちは何をすればいいのか」まで、いつものスタンスでお伝えします。

📝 この記事でわかること

  • S&P500の季節性(9月最弱→10〜12月の年末高)
  • 過去5年の8月末→12月末の騰落率(S&P500)
  • オルカンの傾向と為替の影響
  • 年末相場に向けて私たちがやるべきこと

S&P500の”季節性”——9月は最弱、10〜12月は年末高

まず、月別のクセ(アノマリー)から。1980年以降のデータでは、こうなっています。

【図1】S&P500の月別の傾向(1980年以降)

勝率・平均リターンの目安。9月が最弱、10〜12月が年末高

9月最弱(1年で最下位)
10月勝率67%・平均+1.5%
11月勝率70%・平均+1.8%(1位)
12月勝率70%・サンタラリー

9月は、勝率も平均リターンも1年で最下位の”鬼門”。ところが、そこを抜けた10〜12月は一転して強い。とくに11月は勝率70%・平均+1.8%で堂々の1位、10月も+1.5%、12月も「サンタクロース・ラリー」で知られる堅調月です。つまり、「9月に足踏み→秋から年末にかけて上昇」というのが、教科書的なパターンなのです。

背景には、11月に決算発表が一巡して不透明感が晴れること、感謝祭〜年末商戦への期待、機関投資家の年末の持ち高調整などがあると言われます。

過去5年、8月末→12月末はどうだった?

では、実際の数字を見てみましょう。直近5年のS&P500の「8月末→12月末」の騰落率(概算)です。

【図2】S&P500「8月末→12月末」の騰落率(過去5年・概算)

終値ベースの概数(ドル建て)

2020年:+約7%
2021年:+約5%
2022年:−約3%(利上げで下落)
2023年:+約6%
2024年:+約4%

5年中4年がプラス。ただし毎年ではない(2022年は下落)

5年のうち4年がプラス。とくに落ち着いて上げた年が多く、”年末に向けて堅調”という季節性は、直近でもおおむね当てはまっています。ただし——2022年は約−3%とマイナスでした。インフレと利上げで相場全体が崩れた年です。「毎年必ず上がる」わけではない、という事実は、正直に押さえておく必要があります。

なおオルカン(全世界株式)も、中身は米国株が6割前後を占めるため、値動きはS&P500とおおむね連動します。さらにオルカンは”円建て”なので、この時期に円安ならリターンが上乗せ・円高なら目減りします(→ 円建てで増えない理由はこちら)。傾向は似ますが、為替のぶんだけブレる、と覚えておいてください。

【図3】オルカン(全世界株式・円建て)の8月末→12月末 傾向(概算・目安)

現地通貨の世界株の動き+その年のドル円から試算した”方向”の目安。基準価額の正確な数値ではありません

世界株(現地通貨)ドル円オルカン円建て(概算)
2020上昇やや円高
2021上昇円安++(上乗せ)
2022下落円高−−(下げ拡大)
2023上昇やや円高
2024上昇大きく円安++(大きく上乗せ)

オルカンも”上げの年が多い”。ただし円安なら上乗せ・円高なら目減り

ポイントは、株の傾向はS&P500とほぼ同じ(上げの年が多い)けれど、オルカンは円建てなので、その年のドル円しだいで振れ幅が変わること。円安だった2021年・2024年は為替が”上乗せ”になり、株安+円高が重なった2022年は下げが深くなりました。この数年は円安が追い風でしたが、今は逆に円高局面。同じ株高でも、円建ての伸びは控えめになりやすい点は頭に入れておきましょう。

「アノマリー=必勝法」ではない

ここで冷静に。季節性はあくまで“過去の傾向”であって、保証ではありません。2022年のように下げる年もあれば、2018年の年末のように急落した年もあります。

だから、「年末高が来るはずだから、今まとまったお金を一気に突っ込む」——これは、ただのタイミング投資です。当たれば気持ちいいですが、外れれば高値づかみ。プロでも相場のタイミングは当て続けられません(→ 積立と一括、どっちがいい?)。

じゃあ、私たちは何をすべき?

答えは、いつも通りシンプルです。

【図4】年末相場に向けて、やるべきこと

積立は止めず淡々と:年末高は”追い風”として静かに受け取る
9月の軟調は仕込み:下がったら同じ積立額で多くの口数を拾える
余裕資金は年内に分けて:一気に賭けず、数回に分散
口座がなければ今のうちに:開設は無料・数日かかることも

追い風は狙わず、静かに受け取る

①積立は止めず、淡々と続ける。年末高の季節性は”追い風”として静かに受け取ればいい。狙って売買するものではありません。②9月の軟調は”割安に買えるチャンス”。むしろ下がったら、いつもの積立が多くの口数を拾ってくれます。③余裕資金があるなら、年内に分けて入れていく。一気に賭けず、数回に分ければ高値づかみのリスクをならせます。

そして、まだ証券口座を持っていない人。上がる相場を横目に「口座がなくて買えない…」はいちばんもったいない。口座開設は無料で、数日かかることもあります。動ける準備だけは、今のうちにしておきましょう(→ SBI証券の口座開設手順は第2回で図解しています)。

まとめ

  • S&P500は9月が最弱→10〜12月が年末高という季節性(11月は勝率70%・平均+1.8%)
  • 過去5年の8月末→12月末は「4勝1敗」(2022年のみ約−3%)。おおむね堅調だが毎年ではない
  • オルカンも値動きは近い。ただし円建てなので為替のぶんブレる
  • アノマリーは保証ではない。年末高を狙った一括投資は”タイミング投資”
  • 正解は、積立を止めず・9月の下げは仕込み・余裕資金は年内に分けて。口座がなければ今のうちに準備

「仕込み時」という言葉に踊らされず、追い風は静かに受け取り、淡々と続ける。それが、年末相場との一番かしこい付き合い方です。

参考文献

  • 楽天証券トウシル「米国株式は年末高を期待できる?」 https://media.rakuten-sec.net/articles/-/49913
  • マネックス証券「年末はS&P500指数が上がりやすい?」 https://info.monex.co.jp/news/2025/20251113_01.html
  • S&P500 過去の終値:各種市場データ(Investing.com 等)

※本記事は過去のデータ・傾向に基づく情報提供であり、将来の値動きや利益を保証するものではありません。騰落率は終値ベースの概算です。特定の銘柄・時期での売買を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあり、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました