S&P500が、ついに史上初の7,700を突破しました。2026年8月4日、終値は7,737をつけ、6月2日の前回最高値(7,620.90)を上回る最高値更新です。年初来では+11.4%。「アメリカ株、強すぎる…」と感じている人も多いはずです。
ところが——NISAでオルカンやS&P500を積み立てている人の中には、「最高値なのに、自分の含み益は思ったほど増えてない…なんで?」と感じた人もいるのではないでしょうか。実は私(ヒロ)自身がそうでした。この記事では、なぜ最高値なのか、なぜ円建てだと増えにくいのか、そして今から始める人・追加投資を悩む人はどうすべきかを、やさしく整理します。
📝 この記事でわかること
- S&P500が7,700を突破した理由
- 「最高値なのに円建てで増えない」からくり
- 今から投資を始める人の考え方
- 追加投資を悩む人の判断材料/2026年末の予測
なぜS&P500は最高値を更新したのか
まず、上昇の理由から。難しく考える必要はなく、大きく3つです。
【図1】S&P500 最高値更新の3つの理由
終値7,737/前回最高値7,620.90(6月2日)/年初来+11.4%
いちばんの原動力は、企業の好決算です。主要企業の決算が市場予想を上回り、「アメリカ企業はやっぱり稼ぐ力が強い」と再確認されました。加えて、7月に調整していたハイテク株が反発(月内で約+7%)。ダウ平均も史上初の54,000ドルを突破するなど、幅広く買われました。中東情勢など不安材料が和らいだことも、投資家の楽観を後押ししています。
要するに、「業績が良い×不安が減った」という、株が上がる王道パターンが揃ったわけです。
なぜ「最高値なのに、円建てで思ったほど増えない」のか
ここが今回いちばん伝えたいポイントです。答えは、ひとことで言うと円高。
【図2】「株高なのに円建てで増えない」からくり
最高値でも、円で見ると伸び悩む理由はコレ
私たちが買っているS&P500やオルカンは、中身が米ドル建ての資産です。だから、あなたの円建てリターンは、ざっくりこう決まります。
円建てリターン ≒ 株価の値動き(ドル建て)+ 為替(円安か円高か)
7月まではここに円安という追い風が乗って、株高+円安のダブルで評価額がぐんぐん伸びていました。ところが、8月は状況が一変。日米の協調為替介入で1ドル164円台→155円台へ、約9円の円高が進みました。つまり、株価は上がったのに、円高がそのプラスを大きく食ってしまったのです。
具体的にイメージしてみましょう。たとえばS&P500がドル建てで+2%上がった月でも、同じ月に円が163円→155円(約5%の円高)に振れれば、為替のマイナスが勝って、円建てでは差し引きマイナスになることすらあります。逆に円安の月は、株価のプラスに為替のプラスが上乗せされる。円建て投資家にとって、為替は”もうひとつの株価”のようなもの——ここを知っておくだけで、毎月の評価額の動きに納得がいくはずです。
これが「最高値なのに、円で見ると思ったほど増えない」の正体です。実際、私の運用実績も、8月は株高にもかかわらず収益率が前月から下がりました(→ わが家の運用実績はこちら/円高・為替介入の解説はこちら)。
ただし、これは短期の話。長期でみれば、為替は円高・円安を行ったり来たりします。10年・20年という時間軸では、為替の上下は”ならされて”いき、最後に効いてくるのは株価そのものの成長です。だから、目先の円高で評価額が減っても、過度に気にする必要はありません。
「最高値で買うと損」は本当か?
「最高値=いちばん高いところで買う」と身構えてしまいますが、S&P500の歴史を振り返ると、最高値はけっして”特別な日”ではありません。強気相場では、年に何十回と最高値を更新することも珍しくないのです。実際、2026年もすでに何度も最高値を塗り替えてきました。
そして重要なのは、「最高値の翌日から必ず下がる」わけではない、という事実です。過去の長期データでは、最高値の日に買っても、”適当な日”に買った場合と比べて、その後の長期リターンは大きく劣らない——むしろ良かった、という検証も知られています。理由はシンプルで、株式市場は長期的に右肩上がりで、最高値は「上昇トレンドが続いているサイン」でもあるからです。
もちろん、未来を保証するものではありません。でも、”最高値だから買わない”と待ち続けた結果、上がり続ける相場に一度も乗れなかった——というのは、長期投資でいちばんもったいないパターンです。
今から始める人へ:「最高値=高値づかみ」が怖い?
「こんな最高値のときに始めたら、高値づかみになるのでは…」——よく分かります。でも、ここで知っておいてほしい事実があります。
S&P500は、歴史的に何度も最高値を更新し続けてきた指数です。最高値は「天井」ではなく、長い目で見れば通過点であることがほとんど。「最高値だから危険」と待ち続けた人が、結局ずっと買えなかった——というのは、投資の世界でよくある話です。
とはいえ、一括でドンと入れるのが怖いのは当然。だからこそ初心者には、毎月一定額を機械的に買う「ドルコスト平均法」が向いています。高いときは少なく、安いときは多く買えるので、高値づかみのリスクを自然にならせるからです(用語がピンと来なければ→ 投資用語15語まとめ)。
追加投資を悩む人へ:円高は”隠れた買い場”かもしれない
すでに積み立てていて、「今、追加投資すべき?」と悩んでいる人へ。判断材料を2つ。
ひとつは、今は円高が進んでいること。株価は最高値でも、円で見れば米国資産を”割安に”買える局面です。円安ピーク(164円)で買うより、今の155円台のほうが、同じ円でより多くの口数を買えます。
もうひとつは、無理をしないこと。追加投資は「余裕資金」で、かつ自分のリスク許容度の範囲で。一気に入れるのが不安なら、数回に分けてもOKです。一括か分割かで迷うなら、こちらも参考に(→ NISA 積立と一括どっちがいい?)。
大事なのは、最高値を「売る理由」にも「買うのをやめる理由」にもしないこと。相場のタイミングは、プロでも当て続けられません。
プロは年末をどう見ている?2026年のS&P500予測
「じゃあ、これから年末に向けてどうなるの?」——気になりますよね。ウォール街の主要な金融機関が出している、2026年末の予測(目標株価)を見てみましょう。
【図3】2026年末 S&P500 予測(主な金融機関の目標株価)
現在値 約7,737/予測の平均 約7,716(=ほぼ横ばい)
予測の幅は 7,000〜8,250。プロでも見方はバラバラ
ざっくりまとめると、予測の中心は7,700前後。つまり現在(7,737)とほぼ同じか、やや上、という見立てが平均です。ただ、ここで注目すべきは予測の幅の広さ。強気筋はヤルデニ・リサーチの8,250、慎重派はスティフェルの7,000と、その差は1,000ポイント以上もあります。上昇の主な原動力として各社が共通して挙げるのは、引き続き企業の増益(とくにAI関連)です。
ここで大事なのは、プロの間でさえ、これだけ予測が割れているという事実。要するに、”確実な未来”など誰にも分からないのです。だからこそ、予測に一喜一憂して売買のタイミングを計るより、淡々と積み立て続けるほうが、結果的にうまくいきやすい——というのが、長期投資の結論になります。
それでも忘れてはいけないリスク
最高値圏では、いい話ばかりではありません。フェアに、リスクも押さえておきましょう。
- 割高感:株価が上がるほどPER(株価の割高さを測る指標)も高まりやすく、期待先行になりがちです。
- 好材料の出尽くし:好決算やAIへの期待は、すでに株価にかなり織り込まれている面もあります。
- 為替の逆回転:今は円高が逆風ですが、将来もし円安に戻れば追い風に。逆に円高がさらに進めば、円建て評価はもっと目減りします。為替は諸刃の剣です。
- 暴落は必ず来る:上がり続ける相場はありません。歴史上、どんな強気相場にも、途中の急落や調整はつきものです。
だからこそ、生活防衛資金を確保したうえで、余裕資金で・時間を分散して続けることが、遠回りに見えて、いちばんの近道になります。
まとめ
- S&P500は2026年8月4日、史上初の7,700突破(終値7,737)で最高値更新。年初来+11.4%
- 理由は好決算・ハイテク株の反発・不安後退という王道パターン
- 「最高値なのに円建てで増えない」の正体は円高。株高のプラスを為替が食った
- 今から始める人:最高値は通過点。怖いならドルコスト平均法で時間分散
- 追加投資を悩む人:円高は米国資産の隠れた買い場。ただし余裕資金&リスク許容度の範囲で
- 年末予測:ウォール街の中心は7,700前後(現状ほぼ横ばい〜やや上)。ただし7,000〜8,250と幅は大きく、プロでも見方はバラバラ
最高値も円高も、ニュースは毎月コロコロ変わります。それでも私たちがやることは、淡々と積み立て、続けること。それだけです。
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参考文献
- CNN Business「The S&P 500 is back at a record high and the Dow just hit 54,000」(2026年8月4日) https://www.cnn.com/2026/08/04/investing/us-stock-market
- Bloomberg「The S&P 500 Hit Another Record High in 2026. So What?」 https://www.bloomberg.com/news/newsletters/2026-08-06/the-s-p-500-hit-another-record-high-in-2026-so-what-money
- Investing.com「Where will the S&P 500 be in 2026? analyst consensus」 https://www.investing.com/news/stock-market-news/where-will-the-sp-500-be-in-2026-heres-the-updated-analyst-consensus-4423280
※本記事は2026年8月時点の報道等に基づく情報提供であり、特定の金融商品の売買や売買タイミングを推奨するものではありません。株価・為替は常に変動し、将来の成果を保証しません。投資には元本割れのリスクがあり、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。

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