「ニュースを見るたびに不安なのに、なぜかNISAの評価額が増えている……」
イランによるホルムズ海峡封鎖のリスク、泥沼化するウクライナ・ロシア戦争、終わりの見えないイスラエル情勢。世界は不安材料だらけなのに、2026年のS&P500は史上初の7,000ポイント突破、オルカンの基準価額も過去最高値を更新し続けています。
「おかしくない?」と思うのは当然です。この記事では、その「なぜ?」をわかりやすく解説します。
まず現状を整理:S&P500・オルカンは今どのくらい上がっているのか

2026年4月16日、S&P500は終値で初めて7,000ポイントを突破。年初から約8%上昇し、過去最高値を更新しました。オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)の基準価額も2026年5月時点で35,539円と、こちらも高値圏で推移しています。
NISAで積立をしている人にとっては「評価額が増えていて嬉しい」反面、「こんな状況でいつ暴落するかわからない」という不安も大きいはずです。
※S&P500:米国の代表的な株価指数。アップル・マイクロソフト・エヌビディアなど米国大企業500社で構成。
※オルカン:全世界約2,900社の株式に分散投資できる投資信託。NISAで人気No.1。
地政学リスク一覧:これだけのリスクがあるのに

2026年5月現在、世界では以下のリスクが続いています。
| リスク | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|
| ホルムズ海峡(イラン) | 封鎖リスクによる原油供給不安 | 原油価格上昇→インフレ再燃の懸念 |
| イスラエル・ガザ | 戦闘継続・中東全域への拡大懸念 | 中東産油国への影響・地政学的不確実性 |
| ウクライナ・ロシア | 長期化する消耗戦 | エネルギー・食料価格への影響 |
これだけリスクが並んでいれば「株価は下がるはず」と思うのが普通です。それでも上がり続けているのには、きちんとした理由があります。
なぜ上がるのか?3つの理由
理由①:株価は「今」ではなく「2〜3年後の未来」で動く
株価の本質は「将来の企業収益への期待値」です。今日起きているニュースではなく、投資家たちが「2〜3年後に企業がどれだけ儲かるか」を予測して売買しています。
戦争や紛争のニュースは確かに不安を生みます。しかし「戦争が株式市場の成長トレンドをひっくり返すほどのインパクトがあるか」を投資家たちは冷静に判断します。歴史的に見ても、地政学的なショックは一時的な下落を生んでも、長期トレンドを変えることは少ないのです。
※地政学リスク:戦争・紛争・政治的対立など、地理・政治的要因が経済に与えるリスクのこと。
理由②:AIブームが企業収益を爆発的に押し上げている
2026年の株高を支える最大の柱はAI(人工知能)関連の企業収益の爆発的成長です。
- S&P500構成企業の2026年Q1(1〜3月期)の利益成長率は前年比約27%増——4年ぶりの高水準(日本経済新聞)
- S&P500全体の利益成長の約40%がAI関連の設備投資・需要によるもの
- TSMCの2026年Q1決算では純利益が前年比58%増、通期売上高見通しを「30%超の成長」に上方修正
エヌビディア・マイクロソフト・アマゾン・グーグルといったAI関連の巨大企業が好決算を連発しており、これがS&P500全体を押し上げています。地政学リスクより「AIがもたらす経済成長への期待」が市場を動かしているのです。
理由③:「悪材料の出尽くし」と停戦への期待
2026年4月16日、S&P500が7,000ポイントを初めて突破した日、トランプ大統領は「米・イランの紛争は終わりに非常に近い」と発言しました。この発言を受け、その日の終値は過去最高値を記録しています。
GW明けの5月7日にも「米・イラン合意間近」との報道で市場は大幅高。投資家は「最悪のシナリオが避けられた」というシグナルに敏感に反応します。戦争が「続いている状態」より、「終わりに近づいた」というニュースの方が株価を動かすのです。
「Wall of Worry(心配の壁を登る)」という考え方
投資の世界には「Wall of Worry(心配の壁を登る)」という言葉があります。
悪材料・不安材料があるときほど、市場はそれを織り込みながら少しずつ上昇していく。
なぜなら、悪いニュースが出ているときは「すでに価格に織り込まれている」ことが多いからです。「みんなが不安に思っていること」は、すでに多くの投資家が売った後。逆に、不安が和らいだ瞬間に買い戻しが起きて急上昇します。
「こんな状況で投資していいの?」と思うとき、実は市場は次の上昇に備えているタイミングであることも多いのです。
※織り込み済み:市場がすでに特定の情報を価格に反映させている状態のこと。
では今もNISAの積立を続けていいの?
結論から言うと、長期の積立投資は続けることが正解です。理由は3つあります。
- タイミングを読むのは専門家でも難しい:「高値だから待とう」と積立をやめた人が、さらに高値で再開するケースは歴史的に多い
- ドルコスト平均法の効果:毎月一定額を積み立てると、高値でも安値でも買い続けることで平均取得コストを下げられる
- 企業収益の成長トレンドは続く:野村證券は2026年末のS&P500を7,300ポイントと予測。AIによる経済成長の恩恵は続く見通し
※ドルコスト平均法:価格に関わらず毎月一定金額を買い続けることで、高値での買いすぎ・安値での買い控えを防ぐ投資手法。
次回予告:「じゃあリスクはないの?暴落の可能性は?」
次回はヒロ自身の実際の運用収益率を写真付きで公開します。「昨年と比べて実際いくら増えているのか」をリアルなスクリーンショットで見せながら、長期積立の効果を体感してもらいます。「理論じゃなくて実際どうなの?」が気になる方は、ぜひ次回の記事をお読みください。
参考文献
- Business Insider Japan「S&P500・オルカン最新情報。16日は史上最高値、S&P500終値は初の7000台へ」(2026年4月)
- Business Insider Japan「GW中も記録更新が続く、さらに米・イランが合意間近で大幅高に」(2026年5月)
- 日本経済新聞「米企業4年ぶり好決算、S&P500全体で3割増益 テック主導色は強まる」(2026年5月)
- 野村證券ウェルスタイル「S&P500予想、2026年末7,300に引き上げ」
- 外為どっとコム「SP500史上初の7,000台!だが過熱感あり、急落リスクに注意」(2026年4月)
一緒に勉強しよう!!
さいならーーーーーーーーーーーー
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