先日、同い年の友人が「マンション買ったよ」と報告してきました。6,000万円のマンションをローンで購入したとのこと。正直、羨ましいような複雑な気持ちになりました。「自分も買うべき?それとも賃貸のままでいい?」——31歳の今、真剣に考えてみました。この記事では、実際の数字をもとに賃貸と持ち家のコストを徹底比較し、31歳の自分なりの結論を出します。
なぜ31歳に「賃貸vs持ち家」が重要なのか
31歳でこの問題を考える意味は大きいです。35年ローンを組むと完済時66歳。老後の入口でようやくローンが終わる計算です。また収入が比較的安定し始め、結婚・子育てなど人生の分岐点が重なる時期でもあります。今の選択が35年間の家計を左右します。
【シミュレーション】6,000万円の家を買う vs 賃貸15万円で35年住む
友人が購入したのと同条件で試算します。条件は以下の通りです。
| 項目 | 持ち家 | 賃貸 |
|---|---|---|
| 物件価格 / 家賃 | 6,000万円 | 月15万円 |
| 頭金 | なし(フルローン) | — |
| 金利 | 変動金利 0.7% | — |
| 返済期間 | 35年(420回) | — |
| 引越し | 原則なし | 5年に1度(計7回) |
35年間の総コスト比較
| 費目 | 持ち家(変動0.7%) | 賃貸(月15万) |
|---|---|---|
| 月々の支払い | 約161,000円 | 150,000円 |
| 35年間の返済・家賃 | 約6,767万円 | 6,300万円 |
| 初期費用(諸費用等) | 約180万円 | — |
| 固定資産税(35年) | 約525万円 | なし |
| 修繕費・管理費(35年) | 約840万円 | なし |
| 引越し費用(7回) | — | 約420万円 |
| 35年間の総コスト | 約8,312万円 | 約6,720万円 |
| 差額 | 持ち家が約1,592万円多くかかる | |
単純なコスト比較では、持ち家の方が35年間で約1,592万円多くかかります。ただしこれは「物件の資産価値」を含まない比較です。35年後に6,000万円の価値が残っていれば、実質的にはトントンかそれ以上になります。問題は「その物件が35年後も価値を維持しているか」です。
【最大のリスク】金利が上がったらどうなる?
変動金利は今は低くても、将来上昇するリスクがあります。日本銀行は2024年以降、段階的に政策金利を引き上げており、住宅ローン金利も上昇傾向にあります。金利が1.5%に上昇した場合の試算を見てみましょう。
| 金利シナリオ | 月返済額 | 総返済額 | 利息総額 | 35年総コスト |
|---|---|---|---|---|
| 変動 0.7%(現状) | 161,000円 | 6,767万円 | 767万円 | 8,312万円 |
| 変動 1.5%(上昇時) | 183,700円 | 7,716万円 | 1,716万円 | 9,261万円 |
| 金利上昇による追加負担 | +22,700円/月 | — | +949万円 | |
金利が0.7%から1.5%に上昇するだけで、月々の返済が約2.3万円増え、35年総コストが約949万円増加します。変動金利を選ぶ場合、金利上昇リスクは常に念頭に置く必要があります。
持ち家の3大リスク
① 金利上昇リスク
上記の通り、変動金利は経済状況によって変動します。「5年ルール・125%ルール」で急激な返済増は一時的に抑えられますが、未払い利息が膨らむ可能性もあります。固定金利(フラット35)を選べばリスクは回避できますが、現状の金利は変動より高くなります。
② 家族構成・ライフスタイルの変化リスク
31歳の今、10年後・20年後の生活がどう変わるかは読めません。転勤・離婚・子どもの独立・親の介護——持ち家だと簡単に引越しできないという制約が生まれます。売却しようにも、ローン残高より売却価格が低い「オーバーローン」状態になれば、売るに売れなくなります。
③ リセールバリューのリスク
日本の不動産は築年数とともに価値が下がる傾向があります。特に郊外・地方の物件は35年後に大幅に価値が下落しているケースも少なくありません。例外は世田谷区・渋谷区・港区・中央区、江東区など都心一等地の物件ですが、これらは1億円以上が当たり前。31歳のサラリーマンが手を出せる水準ではないのが現実です。
| エリア | リセールバリュー傾向 | 31歳に現実的か |
|---|---|---|
| 都心一等地(港区・渋谷区等) | ◎ 価値維持・上昇も | ❌ 1億円以上が多く困難 |
| 都心周辺(城南・城北エリア) | △ 立地次第 | △ 6,000万円前後で可能 |
| 郊外・地方 | ✕ 経年で大幅下落 | ○ 価格は安いが資産価値低い |
賃貸のリスクも忘れずに
① 家賃インフレリスク
インフレが続けば家賃も上昇します。現在月15万円の家賃が35年後に20万円になっていれば、賃貸の総コストはさらに膨らみます。また、大家の都合による退去要求リスクも0ではありません。但し、家賃値上げは拒否することができます(詳しくは別の記事で記載します)。
② 老後の住まい問題
高齢になると賃貸契約が難しくなる場合があります。収入が年金のみになった70代・80代で新たな賃貸を探すのは現実的に厳しいケースも。老後の住まいを確保できるかという視点も重要です。
【結論】31歳の自分の答え:基本は賃貸、ただし条件次第
両学長(リベラルアーツ大学)も繰り返し語っていますが、「持ち家か賃貸かは、リセールバリューで判断せよ」というのが本質的な答えです。
| 条件 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 都心一等地・リセールバリュー高い物件を買える | ✅ 持ち家 | 資産として機能し、売却時に損しにくい |
| 郊外・一般的な物件しか買えない | ✅ 賃貸 | 35年後に資産価値が下落し、コスト面でも不利になりやすい |
| 転勤・ライフスタイルが変わる可能性がある | ✅ 賃貸 | 持ち家は身動きが取れなくなるリスクあり |
| 安定した収入・家族構成が固まっている | △ 状況次第 | 金利・物件選びが適切なら持ち家も選択肢 |
31歳の自分の結論は、「今の収入で買える6,000万円前後の物件は、リセールバリューが期待できる都心一等地ではないケースが多い。だから当面は賃貸が無難」というものです。都心一等地(1億円以上)を買える財力があれば話は別ですが、そこまでの資産はまだない。ならば賃貸に住みながら新NISAで資産を着実に積み上げ、将来の選択肢を広げる方が合理的だと判断しました。
参考文献・出典
・リベラルアーツ大学(両学長)「賃貸vs持ち家」解説
・国土交通省「令和5年度 住宅市場動向調査」
・日本銀行「金融政策の変更に関する公表資料(2024年〜)」
・フラット35公式サイト(住宅金融支援機構)「金利情報」
・総務省「家計調査(2025年)」
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※本記事は情報提供を目的としており、特定の不動産・金融商品の購入を推奨するものではありません。掲載のシミュレーションはあくまで試算であり、実際の条件によって異なります。不動産購入・住宅ローンに関する最終的なご判断はご自身の責任でお願いします。


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