ふるさと納税を調べていると、必ず「5自治体まで」という数字が出てきます。11月・12月にまとめて寄附していると、気づいたら6つ目に手が伸びていた——これがけっこう起きます。
結論から書きます。6自治体になっても損はしません。手続きが1つ増えるだけです。ただし「何もしなくていい」わけではないので、そこだけ押さえておけば大丈夫です。
結論:6自治体になっても、控除は受けられます
5自治体を超えると使えなくなるのは、「ワンストップ特例」という簡単なほうの手続きです。控除そのものが消えるわけではありません。
やることは、確定申告に切り替えるだけです。
覚えておくのはこの3つだけ
- 5自治体を超えたら → 確定申告に切り替える
- すでに出したワンストップ申請は全部無効になる(放っておいて問題ありません)
- 控除される合計額はほぼ変わらない
そもそも「5自治体まで」とは、何を数えているのか
数えるのは「自治体の数」であって「寄附の回数」ではありません
ここを誤解している人が多いところです。同じ自治体に3回寄附しても、数えるのは1自治体。回数は関係ありません。
| 寄附のしかた | 自治体の数 | ワンストップ |
|---|---|---|
| A市に3回、B町に2回(計5回) | 2自治体 | ○ 使える |
| A〜E市に1回ずつ(計5回) | 5自治体 | ○ 使える |
| A市に6回(計6回) | 1自治体 | ○ 使える |
| A〜F市に1回ずつ(計6回) | 6自治体 | × 使えない |
つまり「同じ自治体でまとめて寄附する」なら、回数を気にせず選べます。返礼品を10個選んでも、寄附先が5つの市町村に収まっていればワンストップのままでいけます。
ただし、申請書は「寄附のたび」に出します
自治体の数は1つでも、申請書は寄附1回につき1枚必要です。同じ自治体に3回寄附したなら、申請書も3回出します。
ここを勘違いして1枚しか出さないと、残りの寄附ぶんが控除されません。数え方のルールと申請の枚数は、別の話です。
ワンストップが使える条件は、実はもう1つあります
「5自治体以内」ばかりが話題になりますが、条件は2つあります。もう1つは「もともと確定申告をする必要がない人」であることです。
次に当てはまる人は、5自治体以内でもワンストップは使えません。
- 自営業・フリーランスの方
- 給与収入が2,000万円を超える方
- 副業などの所得が20万円を超える方
- 医療費控除や住宅ローン控除の1年目で確定申告をする方
- 2か所以上から給与を受けていて、年末調整をしていない方
この2つの条件を両方満たして、はじめてワンストップが使えます。
6自治体目に寄附したら、何をすればいいか
手順は3つだけです
- ワンストップ申請書は出さなくてOK(すでに出していても、無効になるだけで害はありません)
- 寄附金受領証明書を全部とっておく(自治体から届きます。捨てないこと)
- 翌年の確定申告で、全部まとめて申告する
確定申告は、思っているより短時間で終わります
e-Taxなら、寄附金控除の欄に自治体名・金額・日付を入れるだけです。
さらに、ポータルサイトが発行する「寄附金控除に関する証明書」を使えば、1件ずつ入力する必要すらありません。1枚のデータでまとめて読み込めます。1年分の寄附が10件あっても、作業は同じです。
控除される金額は変わるのか
引かれる税金の種類が違うだけです
| ワンストップ特例 | 確定申告 | |
|---|---|---|
| 控除される税金 | 住民税のみ | 所得税(還付)+住民税 |
| お金の戻り方 | 翌年6月からの住民税が減る | 所得税は現金で還付+住民税も減る |
| 手続き先 | 寄附した自治体 | 税務署 |
| 期限 | 翌年1月10日必着 | 翌年3月15日 |
合計額はほぼ同じです。むしろ確定申告のほうが、所得税ぶんが還付金として先に現金で戻ってくるので、体感は早いくらいです。
「ワンストップが使えない=損」ではありません。ここは安心してください。
期限を過ぎてしまったときの、取り返し方
1月10日を過ぎた → 確定申告すれば大丈夫(3月15日まで)
ワンストップの申請書は翌年1月10日必着です。郵送だと年末年始をはさむので、意外と落としやすい期限です。
間に合わなくても、確定申告をすれば控除は受けられます。3月15日までに申告してください。
3月15日も過ぎた → 5年以内なら、まだ間に合います
もともと確定申告の義務がない給与所得者は、その年の翌年1月1日から5年間、還付申告ができます。
「もうタダの寄附になった」と諦める前に、確認してみてください。3年前のふるさと納税でも、まだ取り返せる可能性があります。
ただし、早いほうが楽です
年をまたぐほど、寄附金受領証明書を探すのが大変になります。再発行に応じてくれる自治体もありますが、時間がかかります。気づいた時点で動くのが結局いちばん早いです。
いちばん多い失敗は、実は「5自治体」ではありません
件数として多いのは、ワンストップを出したのに、あとから確定申告をしてしまうパターンです。
確定申告をすると、出したワンストップ申請は自動的に全部無効になります。そして確定申告のほうにふるさと納税を書き忘れると、控除がまるごと消えます。
あとから確定申告が必要になる、よくあるきっかけがこれです。
- その年に医療費がかさんで、医療費控除を受けることにした
- 住宅ローン控除の1年目だった(この年だけは全員が確定申告になります)
- 副業の所得が20万円を超えた
- 株や暗号資産の利益を申告した
住宅ローン控除の1年目は特に注意
家を買った翌年は、住宅ローン控除のために必ず確定申告をします。この年にふるさと納税をワンストップで済ませたつもりでいると、控除が消えます。家を買った年のふるさと納税は、最初から確定申告でいくと決めておくのが安全です。
11月・12月に寄附する前に、決めておくこと
順番はこれだけです。
- 今年、確定申告をする予定があるかを先に確認する(医療費控除・住宅ローン控除1年目・副業)
- ある → 最初から確定申告でいく。ワンストップは考えなくていい
- ない → 寄附先を5自治体以内に収める。同じ自治体でまとめれば回数は自由
- 申請書は寄附のたびに出す
- 受領証明書と申請書の控えは、1か所にまとめておく
この順番で決めておくと、12月に慌てません。逆に返礼品から選び始めると、気づいたら6自治体になっています。
わが家の場合
わが家は毎年1〜2自治体です。数だけ見ると少ないほうだと思います。
理由は単純で、使い道を先に決めているからです。旅行や宿泊に充当できるポイントに交換するか、牛タンか。だいたいこの2つで終わります。返礼品を1つずつ探して10自治体に散らすより、決め打ちのほうが早い、というだけの話です。
結果として、5自治体の制限に引っかかったことは一度もありません。ただこれは、わが家が特別に少ないというより、同じ自治体でまとめれば回数は自由だからです。「返礼品をたくさん選びたい」という場合でも、意外と超えません。制限として厳しいものではない、というのが実感です。
旅行に使えるポイントは、いまも選べます
ひとつ補足です。「2025年10月からふるさと納税のポイントが禁止された」と言われますが、禁止されたのはポータルサイトが寄附者に付与する独自ポイント(各サイトの還元ポイント)のほうです。
自治体が返礼品として出している旅行クーポンや宿泊ポイントは、この禁止の対象ではありません。いまも選べます。同じ「ポイント」という言葉なので混同されやすいのですが、別の話です。
ふるさと納税を始めるなら
🎁 ふるさと納税を始めるなら「さとふる」
返礼品の到着が早く、レビューが豊富。寄附金控除に関する証明書もマイページから発行できるので、確定申告に切り替わっても手続きがラクです。
控除されたかどうかは、翌年6月に確認できます
寄附して終わりではありません。ちゃんと引かれているかは、翌年6月に届く住民税決定通知書で確認できます。
毎年ここまで確認している人は少ないのですが、申請漏れがあった場合に気づけるのはこのタイミングだけです。
あわせて読みたい
まとめ
- 「5自治体まで」は自治体の数のルール。同じ自治体なら何回寄附しても1つ
- ただし申請書は寄附のたびに提出する
- 6自治体になっても損はしない。確定申告に切り替えるだけ
- 控除される合計額はほぼ同じ。所得税ぶんは現金で還付される
- ワンストップの期限は翌年1月10日必着。落としても確定申告(3月15日)で間に合う
- それも過ぎたら5年以内の還付申告が使える
- いちばん多い失敗は「ワンストップを出した後に確定申告をした」。この場合はワンストップが全部無効になる
制度の話は複雑に見えますが、押さえるところは「自治体の数」と「確定申告をするかどうか」の2つだけです。ここさえ先に決めておけば、12月に慌てることはありません。
参考文献
- 総務省「ふるさと納税ポータルサイト|ふるさと納税の流れ」
- 国税庁「還付申告」
- さとふる「ワンストップ特例制度」
- ふるなび「ワンストップ特例制度とは?申請の流れ・書き方・期限」

コメント